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*よりハッピーになる微笑み空間をつくりましょう!!*
・-・-・ 15の幾何学的性質―ポジティブ・スペース― ・-・-・
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暑中お見舞い申し上げます。
近くの畑のトウモロコシや果樹園の梨が、
無人販売スタンドに並ぶ季節になってきましたが、
いかがお過ごしですか。
いつもご購読ありがとうございます。(*^o^*)
今回は「生きているプロセス」から生成される「生きている構造」に、
結果として備わる幾つかの性質、15の性質の中の
「POSITIVE SPACE − ポジティブ・スペース」について
取り上げたいと思います。♪♪(^o^)♪♪
(The Nature of Order U p.173〜p.178)
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C・アレグザンダーは、こう述べています。
「小さくとも全ての空間が外へと膨らむ時、
私がポジティブ・スペースと呼ぶものは、
それ自身に価値があって、決して、隣の空間の為の残されたものでは無いのです。(^_-)☆
何か、熟したトウモロコシのように見えるかもしれません。
それぞれの穀粒が互いに接するまで膨らんで、
それぞれが、それ自体が、
内からの細胞としてのその成長によって起こされるポジティブな形を持つに到るのです。」(^_-)☆
更に続けています。♪♪(^o^)♪♪
「私の観察は、大きくとも小さくとも、ほとんどどのようなものであっても、
全ての一つ一つの部分がポジティブであるという程度は、
その命と全体性に欠かせない(^_-)☆
基本的なものであるということです。
芸術作品は、多かれ少なかれ、その構成している部分空間の全ての一つ一つは、
全体であり、良い形を備えていて、ポジティブであるほど命を持っているのです。(^_-)☆
空間に命をもたらす全てのプロパティ、特性の中で、
これが全ての空間の部分に相関的に強い中心性、
センターとなる状態を保証するということから、
おそらく、これは最もシンプルで最も基本的なものです。」
さて、いつものようにアレグザンダーが提示する具体例を見ていきましょう。♪♪(^o^)♪♪
「この、ポジティブで空間の首尾一貫した状態のひとつのほとんど原型的な例は、
17世紀に描かれたローマのプランの中に見ることが出来るでしょう。
(どうぞ、図をご覧ください。)
このプランにおいて、全ての街路のどんなに小さくても
それぞれの部分が、ポジティブで、建物の塊がポジティブで、
公共屋内空間がポジティブです。(^_-)☆
事実上、明確で、ポジティブで、それは、明らかな実体のまとまりなのです。
形を持たない全体の部分はありません。(^_-)☆
それ自体として明らかで価値のあるものなのです。
これは、考えるに、それらの場所のそれぞれが、
街路であろうと、広場であろうと、建物の塊であろうと、
それについて気を払って、それを明確にして、
意味や目的を持った形に気を付けている人々によって、
時間をかけて、形造られてきたから、起こってきたのです。(^_-)☆
それらの実体のそれぞれは、
ゆっくりとした計画された中心性、センターの強化によって、形成されてきているのです。(^_-)☆
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今日の西洋の空間の視点においては、ローマのプランに見られるような、
ほとんど全ての古代文化からの共有空間、コモンスペースにさえも見られる、
空間の力強い威力は、忘れられています。
私達は、あたかも建物と建物の間の空間が何も無い海のように、
空っぽの空間に建物が浮いているように見る傾向があります。
これは、建物が置かれて、それ自体の明らかな物体としての形をもつほど、
それらが浮かぶところの空間は、形を失い、それらとその場所との絶縁の中で、
建物をほとんど意味の無いものにしていくのです。
これは荒廃という結果をもたらします。
それは、私達の社会的空間自体を、
私達を人間として一体にする接着剤である共有公共世界の、
例えば、児童公園では、首尾一貫することなく、
ほとんどその存在感を失ってしまっています。
そして、ポジティブといえる性格の、つまり形造られたと言えるような性格の空間は、
私的庭園、庭においてでも部屋においてでも、
オブジェクトや絵画やテキスタイルの空間においてですら、
私達が使用している活字書体においてでさえ、忘れられてきているのです。
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さて、もっと具体的な例を見てみましょう。♪♪(^o^)♪♪
まず、日本においてですが、かの有名な黄左衛門の茶碗です。
とても微妙なケースですが、
その現象を写真と図のように見ることが出来ます。
この碗を注意して見てみると、私達は碗それ自体が、
その美しい形を持っているという事実のみではなくて、
その碗の隣の空間も美しい形を持っているという事実故に、
その美が見出せると悟るに到るのです。(^_-)☆
その碗の美は、それが接する空間が美しいという事実によって、
創造されているとさえ言えるかもしれないのです。
これは、ポジティブスペースが効いているひとつの秀逸な例です。
それに比べて、粗雑な例ですが、それ自体が大変注意深く形造られていますが、
その接する空間は考えられていません。
写真の3つの大きな石の立方体の1960年代の彫刻が、その典型的な例です。
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更に、2つのポジティブ・スペースの例、
アナトリアン・カーペットの例を見てみましょう。♪♪(^o^)♪♪
まず、セルジューク・カーペットのボーダー(縁取り)ですが、
これは、ネガポジの形が極端で、
むしろ、原型ともいえるものであることから、特に良い例です。
そして、祈祷用のアナトリアン・カーペットのフィールドの中で、
その次に横たわる全体の形によって、全ての全体は形を持っていて、
生きているいくつものセンター、中心を構成して、
空間の全ての部分をポジティブにしながら、カーペット全体が神を予示するのです。
その結果、完璧な統一、ポジティブな性格が、
空間のすべての僅かな部分が中心性を備えているということが、
カーペットの命として重要な、実際的な、精神的な様相なのです。
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ところが、上手くいっていない例では、
ひとつの良い形を与えるために、
その背景となる、それが横たわる空間が、時々、残された空間となり、
或いは、全く形を成さないものとなっているのです。
生きているデザインの場合は、決して、残された空間というものはないのです。
全ての空間の異なった部分、一片は全体なのです。(^_-)☆
マティスの青いヌードでは、全ての空間の部分はポジティブです。
それで、それは命を持ているのです。
どうぞ、写真をご覧なって下さい。
古代ムガール朝帯状装飾、フリーズでは、花と葉の間の全ての小さな空間が、
葉脈の間でさえ、その命を持っているのです。
さて、このポジティブ・スペースを建物の3次元屋内空間でみるのは、
非常に難しいことです。
上手くいっている建物では、種種様々な部分が、いつも特にポジティブです。
これは、物入れ、や、全ての小さな部屋、廊下、部屋の間のスペースが、
ポジティブな性格を備え、有用なスペースで、美しい形を持っているのです。
そして、、勿論、同じことが、外へも続いて、
それだから、様々な建物周囲の外部空間は、
すべてポジティブな性格を備えているのです。
それらの一つ一つがです。
唯一として、残された空間がないのです。(^_-)☆
さあ、もっとポジティブな例を見てみましょう。イタリアのアーケードや日本間です。
一方、現代空間を呼ばれるものはどうでしょう。
形と形の間が良い形ではなく、残されたスペースとなり、
一つ一つの形がバラバラになっているのです。
それ故に、命をもっていないのです。
ポジティブ・スペースの定義は簡単です。♪♪(^o^)♪♪
空間の全ての部分は、
ひとつのセンターとしてのポジティブな形、良い形を持っているということです。(^_-)☆
形を成さない意味のない残されたものは無いということです。(^_-)☆
全ての形は、ひとつの強いセンターを持ち、
そして、その唯一の方法で、命を持つのです。」
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これは、大小に関係なく、形づくられている全ての空間で起きてきます。
例えば、タイルだけではなく、タイルの目地の部分も良い形でその意味を成し、
椅子も、機能や感触のみではなく、椅子が接する空間が美しいように、
あの黄左衛門の茶碗のように。
身近な例として、大規模マンションの公開空地は、どうでしょうか。
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さて、現在進行形で荒廃へと進んでいるのは、北京ではないでしょうか。
気の遠くなるような長年かけて培ってきた、生活文化、ライフスタイル全体が、
土地は全て国家財産ということで、一斉されている現状ではないでしょうか。
北京の人々を結び付けてきた膠のような路地、フートンが、建物が
壊されて消滅してしまうのです。
その後、大規模建築物、超高層建築物の間はどうなるのでしょうか。
正に、北京全体が、虚ろな空間となってきているのではないでしょうか。
これまで近代都市計画では、開発が進めば進むほど、
防火や公衆衛生面は解決できても、
それ以外の全体の地域環境の質が下がってしまう現状でした。
私にとって身近な練馬区でも、
昭和40年代からの乱開発、ミニ開発、
そして幹線道路沿いの大気汚染による呼吸器系疾患や交通事故多発、
光化学スモッグやヒートアイランド、
正にポジティブスペースを持たないあの石の立方体の彫刻のような、
景観を破壊する高層建物、大型マンション周囲や高架下の防犯性の問題、
蟻の行列と化した通学路、大規模商店と商店街の軋轢などなどキリがありません。
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そういう現状を修復していける考え方、方法がパターンランゲージなのです。
近代都市計画とは、プログラム・デザインが違うのです。♪♪(^o^)♪♪
ひとつの問題解決が、別の問題を生じさせることのない思考方法でもあり、
コミュニケーションの道具でもあります。
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幾何学的性質としての、このポジティブ・スペースが欠如すると、
決定的で、つまり、元々命をもてない形であるので、
その空間自体生かしていくことが、無理に近く困難です。
大規模計画を一気に行うことの限界が、ここにあります。
例えば、光が丘のような大規模集合住宅地を計画し、後は住み手が住みこなし、
どんどん変えていけばいけばいいのだと、正にトップダウンの姿勢ですが、
長期的に見ると、何か乱暴で取り返しがつかないのではとは、思いませんか。
マスコミでは忘れられた神戸市や入間市大規模集合住宅地での凶悪犯罪が、
忘れられません。
これが、この質が、現在の巷の中高層住宅地域、マンション街にまで蔓延って、
犯罪も身近にまで、迫っている今日と考えます。
後は、ソフトでやればいいのだという考え方でのハード開発に問題があります。
ソフトも育たないハード空間、形の欠陥、問題があるのですから。
あの立方体の組み合わせの彫刻のように。
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この、「POSITIBE SPACE」はプロパティであると同時に、
パターンランゲージとも言えます。
私達の周囲の実際の出来事や場から、パターンを抽出しますが、
ここでは、生きている構造に備わっているひとつの特性、プロパティとして、
アレグザンダーは提示しています。
両方からそれを、捉えることが出来るのですね。
まずは、空間、公共空間、公共オープンスペースを形成し、
それから建物ボリュームとなるのです。(^_-)☆
既に在る所では、その感覚、姿勢を意識としてもつことが肝要です。
実際は、ほとんど建物が出来て、残った空間が道、空いたところが公共空間となってきています。
地形に合わせて、近隣関係が上手くいく密度でそれが形成されるときは問題ないですが、
上のような意識無く放置しておいた結果、私有地境界、私道の問題が生じ、
公共スペースと道路とのつながり、沿道整備もおざなりになってしまい、
車に轢かれるのではないかと
身の危険をいつも感じて歩かなければならない現状です。
全ての建物が公共空間を創造しているのだという意識、
公共空間全てをポジティブにすることで、
全ての建物が命を持ち、価値あるものになってハッピー!!\(^o^)/
今回のPOSITIVE SPACEでも、
全てポジティブスペースで良い形を持っていると出て来ましたが、
次回は「GOOD SHAPE」です。♪♪(^o^)♪♪
どうぞ、お楽しみに(∩o∩)ノ
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